食のピクトグラムとは?

飲食店を訪れたとき、メニューなどに食物アレルギーに関するピクトグラムが描かれているのを見たことがある人も少なくないようです。このピクトグラムの中には、一般社団法人日本フードバリアフリー協会が無料で提供しているものもあり、フードバリアフリー化の取り組みの一環として使われています。

 

フードバリアフリー化とは

フードバリアフリー化とは、食物アレルギーを持つ人や、魚や肉を食べないベジタリアンなど、多くの種類がある食の様式に対応し、どんな人でも食事をすることを楽しめるようにする取り組みのことを言います。食物アレルギーを持つ人やベジタリアンなどは、食べることができない食品や食べることを避けている食品があるわけですが、飲食店の料理にどんな材料が使われているのか、避けたい材料が使われているのかについて、分かりにくいという難点がありました。そこで、飲食店側が店内メニューやテイクアウトメニューなどに、料理の原材料名を表記するなどの対策を始めました。このような対策を取ることで、どのような人でも安心して自分が食べられるメニューを選び、食事を楽しむことができる環境を整えようとしているというわけです。

 

どんなピクトグラムがある?

一般社団法人日本フードバリアフリー協会が配布している食物アレルギーピクトグラムは、アレルギーの原因となる食品やベジタリアンなどが避けたい食品、宗教で食べることが禁止されている食品などで構成されています。

例えば、アレルギーの原因となる食品のピクトグラムには、小麦、卵、乳、大豆、えび、かに、アーモンドなどがあります。ベジタリアンなどが避けたい食品や宗教で食べることが禁止されている食品のピクトグラムには、肉、魚、アルコールなどがあります。また、近年話題になることが増えてきた、遺伝子組み換え食品であることを示すGMOのピクトグラムも存在しています。

ピクトグラムの種類は全部で32種類にものぼります。日本語と英語の食品名とともに、食材のイラストが大きく描かれているので目につきやすく、パッと見ただけでもその内容を確認することができます。その分かりやすさと使いやすさから、飲食店だけでなく、観光施設や食品関係企業の商品での使用も期待されています。このピクトグラムの素材は一般社団法人日本フードバリアフリー協会のHPから無料でダウンロードすることができるので、飲食店や観光施設などでも比較的気軽に取り入れることができます。

 

食の多様性について考える

現在、食物アレルギーがない人や避けたい食品がない人の多くは、飲食店の料理にどのような材料が使われているかについてあまり意識してはいません。食物アレルギーなんて自分には関係のないこと、と決めつけてしまっている可能性も否めません。しかし、実際に飲食店などで食物アレルギーピクトグラムを見ることで、世の中には多くの食の様式があるのだということを感じ取るきっかけとなります。そして、それもまた、フードバリアフリー化についての知識と理解を深めることにつながっていくことでしょう。