食のバリアフリーMAPとは?

外食の際に困ること

食物アレルギーなどの理由で、飲食店での食事が難しい人たちがいます。飲食店で食事をする場合にまず大変なのが、メニューにどのような材料が使われているのかがわからず、メニューを選ぶことができないということです。

例えば、牛乳アレルギーを持っている人であれば牛乳を使っている料理は食べられないわけですが、メニューの料理名や料理の写真を見ただけで、本当に牛乳が使われていないかどうかを判断するのはなかなか難しいことです。そのため、店員に確認する必要が出てきます。

しかし、もしメニューにアレルギーについての表記があれば悩むことはなく、安心して料理を選ぶことができるのです。このように、食べられない物があるという食のハンデを持つ人に対して、そのハンデをなくす取り組みを食のバリアフリーと言います。

 

金沢市における食のバリアフリーの取り組み

その食のバリアフリーに関して、石川県金沢市でとても興味深い取り組みが行われています。それは、金沢市食のバリアフリーMAPです。食のバリアフリーMAPは、アレルギーの子どもを持つ保護者の交流サークル「るみえ〜る」と、金沢市のカフェ「Los Angeles in 金澤」、そして金沢市が協働で制作したものです。食物アレルギーを持つ地元住民や観光客などがもっと飲食店に入りやすい環境を作ることや、飲食店を営んでいる人にも食物アレルギーについて理解を深めてもらうことを目的として作られています。それらの目的を果たすことは、食事に対して制限を抱えている人でも、金沢市の食を楽しむことにつながっていくのです。

 

食のバリアフリーMAPの内容

食のバリアフリーMAPには、食物アレルギーやベジタリアン、ヴィーガンに対応できる飲食店が掲載されています。ベジタリアンは植物性食品を中心に食べていて、かつ動物性食品の中でも牛乳や卵は食べるが肉や魚は食べない人のことを指し、ヴィーガンは植物性食品のみを食べて、動物性食品はまったく食べない人のことを指します。外国だけでなく、日本でもベジタリアンやヴィーガンになる人は増加していますので、食物アレルギーの人と同様に、飲食店の情報を知りたいという人は多いのです。

食のバリアフリーMAPに掲載されている飲食店の数は50以上にものぼり、食にハンデを抱えている人でも、飲食店を選ぶ楽しみを実感することができます。HPでは小麦、乳、卵のアレルギー対応が可能なお店はどこか、ベジタリアンやヴィーガンに対応できるお店はどこかについて、簡単に検索することができるようになっています。お店にアレルギーの原因となる食品についての相談ができるかだけでなく、料理に使用されている原材料について教えてもらうことができるかについても検索することが可能です。このような条件でお店を検索できるというシステムは、食事に対して制限を抱えている人やその家族にとって、とても安心で便利なものです。

この取り組みによって、石川県金沢市での食のバリアフリーについての認識はますます広がっていくことでしょう。