バリアフリーフードとしての米粉

製粉技術の向上

最近、バリアフリーフードとしてますます注目が高まっているのが米粉です。米粉とは、米を細かく砕いて粉状にしたもののことを指します。しかし、米粉と一口に言っても、元々のお米の種類や製粉方法などによって種類が細かく分けられています。

例えば、和菓子によく使われている白玉粉やもち粉なども米粉の一種です。少し前までの製粉方法では米を細かい粉状にするには限界がありましたが、製粉技術の進歩により、より微細な米粉を作り上げることができるようになりました。そして、このより微細な米粉ができたことこそが、バリアフリーフードとして、あるアレルギーを持つ人たちに大きな影響を与えることになったのです。

 

米粉で可能性が拡大

そのアレルギーは一体何なのか、すぐにピンとくる人も多いでしょう。そのアレルギーとは、小麦アレルギーです。小麦アレルギーを持っている人はアレルギー症状が出てしまうことを防ぐため、小麦を避けた食事を行う必要があります。しかし、小麦は私たちが普段何気なく口にする料理の多くに使われています。例えば、パン、洋菓子、うどん、ラーメン、ホワイトソースなどです。他にも、醤油やドレッシングなどの調味料に小麦が含まれている場合もあります。このように小麦は多くの料理に使われているので、小麦アレルギーを持つ人は必然的に、メニューの選択肢が狭くなっていました。

しかし、微細な米粉ができたことで、その微細な米粉を小麦粉の代わりとして料理に使うことができるようになったのです。現在では、ケーキなどの洋菓子、パン、うどん、パスタ、ホワイトソース、シチュー、天ぷら粉など様々な料理で、小麦粉の代わりとして米粉が使われてきています。

米粉を使った料理の提供は家庭だけにとどまらず、飲食店などでも米粉を使った料理を提供するところが増えてきました。米粉を使った料理であれば小麦粉アレルギーの人でもアレルギー症状が出ることを気にする必要はありません。つまり、米粉により、小麦アレルギーを持つ人でも様々な料理を楽しむことができるようになったのです。また、米粉はグルテンを含まない食品であるため、近年話題になっているグルテン不耐性の人やグルテンフリーの食生活を送りたい人にとっても便利で優しい食品となりました。

 

バリアフリーフードとして最適

さらに、米粉は小麦アレルギーを持つ人の周りにもうれしい影響を与えています。例えば、米粉で様々な料理を作れるようになったことで、小麦アレルギーを持つ人と小麦アレルギーを持たない人が同じ食事を一緒に楽しむことができるようになりました。特に家庭においては、食事を作る人の負担を減らすことにもつながっています。小麦アレルギーを持つ人用の料理とアレルギーを持たない人用の料理をそれぞれ作るのは、なかなか大変なことだからです。また、小麦を摂取させてはいけないというプレッシャーからも少しは解放される可能性もあります。このように良いことだらけの米粉は、今後もバリアフリーフードとして重宝され続けることでしょう。