制約があって食事が楽しめない…?
おいしい食事というのは、本来とても幸せなことです。しかし、食事を安心して楽しむということが当たり前ではない場合があります。それは、食物アレルギーがある場合や宗教で食べてはいけないという戒律がある場合などです。
そのような食のハンデを持っている人たちは、飲食店などで料理を注文する際、料理に食べることができない食材が入っていないかどうかを確認する必要があります。メニューに料理に使われている材料が記されていれば分かりやすいのですが、残念ながらそのような対応をしているところはまだ多いとは言えません。また、食べることができない食材があることで、周りの人と一緒に同じ物を楽しむことができないという悲しみを感じている可能性も否定できません。
どんな代替食材がある?
近年では食物アレルギーがある人や宗教上の理由で食べられない物がある人、健康に気をつけている人などに向けて、代替食材が多く開発されてきています。代替食材とは、ある食材の味や見た目などに似せて作られた食材のことです。
代替食材として有名なのが米粉です。小麦粉の代わりとして、麺類、パン、洋菓子など、幅広い料理に使われています。小麦粉アレルギーで小麦を使った料理が食べられない人でも、米粉を使った料理であれば安心して食べることができるのです。
乳製品の代替食材として使われることが多いのが大豆です。カフェなどでも、牛乳の代わりに豆乳を使うメニューを目にしたことがある人も多いことでしょう。それも立派な代替です。他にも、大豆ヨーグルトや大豆アイスクリーム、豆乳チーズなども作られています。
また、大豆はお肉の代替食材としても使われていて、大豆ミートという呼び名で私たちの食卓に浸透してきています。最近では大豆ミートの人気が高まっていて、スーパーでも大豆ミートを使用した大豆ハンバーグ、大豆ナゲット、大豆唐揚げ、大豆ハムカツなど、多くの商品を目にするようになりました。代替食材だから味が劣るのではないかと不安を感じる人もいるかもしれませんが、本物の食材と何ら変わらないおいしさである場合がほとんどです。
代替食材の開発が食のバリア解消につながる
代替食材の開発によって、理由があって食べられない物がある人が楽しめるメニューは大幅に増加しました。また、アレルギーなどに配慮した料理を提供してくれる飲食店も増えつつあります。家庭で料理をする際も、代替食材を使うことによって料理の負担が軽減されたという声もあるようです。食べられない物を使用しないよう注意しながらの料理は大変なことですし、献立を考えるのも一苦労だったという場合もあることでしょう。
さらに、代替食材を使うことによって、理由があって食べられない物がある人もそうでない人も、一緒に同じ料理を味わうこともできるようになったという嬉しい変化も生まれています。これはつまり、代替食材によって食のバリアを取り除くことができているということです。代替食材のように、今後も食のバリアフリーにつながるような取り組みの広がりが期待されています。