乳アレルギーとは
食物アレルギーの原因となる食品の一つに、牛乳などの乳製品があります。乳によってアレルギーを起こしやすい年齢は、0〜1歳くらいの乳幼児です。アレルギーの症状としては、乳製品を口にした後で蕁麻疹、腹痛、下痢などが現れます。症状が重い場合には、呼吸困難や血圧の低下が起こり、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあります。乳のアレルギーは、発症しても年齢を重ねるにつれて、自然と改善していくことが多いという特徴も持っています。
しかし、大人でも牛乳を飲むと腹痛が起きたり、下痢になったりと、お腹の不調を訴える人は少なくありません。乳アレルギーがあるわけではないのに、牛乳を飲むとどうもお腹の調子が悪くなるという場合には、乳糖不耐症が原因であると考えられます。
乳糖不耐症とは
牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品には、乳糖という成分が含まれています。その乳糖を分解するために、私たちの体内ではラクターゼという消化酵素が分泌されているのですが、そのラクターゼの分泌量が不足して乳糖を分解できなくなると、お腹の不調が起こってしまいます。これが乳糖不耐症です。特に、牛乳はその成分のほとんどが乳糖であるため、より乳糖不耐症の症状が起こりやすくなります。
子どもの頃は牛乳を飲んでも平気だったのに、大人になってから不調が現れるようになったという人も多いようです。実は、ラクターゼは大人になると分泌量が減少してしまうという特性があるため、大人になってから症状が出てくることもあります。あまり聞き慣れない乳糖不耐症ですが、日本人の4人に1人が乳糖不耐症であるとも言われています。
お腹に負担をかけない代替食品
近年、そのような人向けに、現在では乳糖の量をあらかじめ減らし、お腹に負担をかけない牛乳が販売されています。雪印メグミルクの「アカディ おなかにやさしく」や、南日本酪農協同(株)の「デーリィ おなかにやさしいミルク」などがその一例です。これらの商品は、スーパーや通信販売などで気軽に購入することができます。また、牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなってしまう人には、牛乳の代わりに、豆乳やアーモンドミルク、ココナッツミルクなどを飲むこともおすすめです。
牛乳以外の乳製品に対してもお腹の不調の不安があるという人は、乳を材料としない代替食品を食べるという方法もあります。乳製品の代替食品には、多くの場合、大豆が使用されています。大豆で作られているヨーグルトや大豆で作られているチーズ、豆乳アイス、豆乳ホイップクリームなどもあります。これらの代替食品は、牛乳アレルギーや乳糖不耐性に対応したものなので、安心して口にすることができます。
乳アレルギーや乳糖不耐症がない人からもヘルシーで健康的なものとして人気が高まってきていて、代替食品をスーパーなどで見かけることも増えてきました。乳アレルギーや乳糖不耐症があっても、様々な代替食品をうまく利用することで、安心して食生活を楽しむことができるようになります。