最近の調査によると、アレルギーを発症している人の約6割は、ダニやハウスダストが原因だということが分かりました。日本人のうち、およそ2900万人がダニやハウスダストアレルギーに悩んでいると言います。何もせずアレルギーを放っておくと悪化しますから、ダニやハウスダストを減らすことが大切です。
ハウスダストって何?
1mm以下の、肉眼では見えないほんの小さなホコリのことです。小さくても、その中にはダニのフンや死骸、植物の花粉、犬や猫などのペットの毛やフケ、人間のフケや皮膚から剥がれ落ちた角質層、カビの胞子、さらに細菌や線維など、さまざまな物質が含まれています。まさにアレルゲンの塊です。
とても小さく、軽く、フワフワと舞うので、人や空気の動きによってどこにでも移動します。家具の上や電化製品の上に溜まっていると目につきますが、大抵は目の届かない電化製品の配線部分や、家具のすき間などに溜まります。毎日掃除していても、ハウスダストの中身を構成する花粉、砂粒、昆虫のフンなどは、人の衣服や髪の毛に付着して家の外から持ち込まれますし、カビの胞子や細菌、ダニのフンや死骸は空気中をいつでも漂っていますから、ハウスダストが完全になくなることはありません。
こんな条件でダニは増える
ダニも生き物ですから、生きていくためには人間と同じように、水、栄養、温度、そして酸素が必要です。
湿度が高い場所ほど、ダニは増殖します。湿度60~80%を好み、空気中に含まれる水分を体表からも摂取できます。
次に栄養ですが、ダニの栄養となるのは食品だけではありません。人間や動物のフケ、皮膚片も彼らのごちそうです。
ダニは温度の比較的高いところで生息します。20~30℃がダニにとってベストな環境です。
そして、ほとんどの生物がそうであるように、酸素がなければダニは生きていけません。以上の条件が整った、布団、風通しの悪い押入れ、クローゼット、ペット用のベッドなどは暖かく、食料もあり、適度な湿度と酸素もあるので、ダニにとって繁殖しやすい絶好の場所です。
ダニ・ハウスダストを減らすには?
人のいない時間、あるいは就寝中の夜など、家の中で人が動かなくなると、ハウスダストは静かに落ちていき、床に溜まります。ですから、ハウスダストが床に溜まっている朝一番に、掃除機やモップ掛けをしましょう。家族が動き出すと、せっかく床に落ちたハウスダストが再び空気中に舞ってしまいます。空気清浄機を使うのもおすすめです。フィルターの掃除や交換はこまめにしてください。
ダニが最も多く住みついているのは、布団や枕などの寝具です。ところが、布団を干し、シーツや枕カバーを洗濯しても、ダニは簡単には死滅しません。掃除機で吸っても完全には取りきれません。そんなダニの弱点は温度です。50℃以上の高温になると、ダニは死滅します。衣類用の乾燥機や布団乾燥機を使えばダニは完全に死滅するので、乾燥機を使った後に掃除機で吸い取れば、ダニを完全に排除できます。