アレルギーで最も多いI型タイプアレルギーとは?

●アレルギー反応には4つの型がある

アレルギー反応にはさまざまな症状がありそれらは主に、I型、II型、III型、IV型に4つのタイプに分けることができます。

その中でも最も患者数が多いのが、I型です。アトピー性皮膚炎や花粉症、食物アレルギーなど、私たちの身近に起こるアレルギー症状のほとんどが、このI型のアレルギー反応によるものです。

身近でよく見かける一般的な症状なのですが、まれにショック症状が出るアナフィラキシー反応が生じることがあるので、あなどることはできません。

●最も患者数が多いI型アレルギーとは?

I型の特徴は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)が体内に侵入した後、比較的短時間で発症することです。アレルギー物質が体内に入ってきて数分、長くても2時間以内に症状が起こります。このため、「即時型アレルギー」と呼ばれているのです。

またアレルゲンに対抗する「IgE抗体」が関わっていることから、IgE型と呼ばれることもあります。

花粉や食品などのアレルゲンが体の中に入ろうとすると、それに阻止するために「IgE抗体」が作り出されます。IgE抗体は皮膚や粘膜などの表面に広がって、アレルゲンを見張っています。そしてアレルゲンが入ってくると攻撃を開始するのですが、このときにアレルギー反応を引き起こすヒスタミンが生み出されるのです。IgE抗体がアレルゲンを攻撃するときにヒスタミンが発生することが、I型アレルギーの原因と考えられています。

I型アレルギーは、場合によっては命を脅かすアナフィラキシー反応を起こすこともあります。アナフィラキシーは、一度目にアレルゲンが侵入してきたときには特に大きな反応は示しません。しかしこのときに抗体が作られ、二度目の侵入に備えます。そして再度アレルゲンが体内に侵入したときに、抗体が反応して急激な血圧低下や意識障害などの症状が出るアナフィラキシーショックを起こすことがあるのです。急激なショックのため、死へと至る危険があります。アナフィラキシーショックが起こったら、すぐに治療を受ける必要があります。

●I型以外のアレルギータイプ

II型は、抗体がアレルゲンを攻撃するときに体内の細胞まで攻撃して傷つけてしまう症状です。これによって引き起こされる病気や症状には、自己免疫性喀血性貧血、血小板減少症などがあります。

III型は、何らかの理由でアレルゲンと抗体が結合して免疫複合体と呼ばれる物質が作られ、これが細胞などの組織を破壊する反応です。これによって起こる疾患には、糸球体腎炎や血清病、ループス腎炎などがあります。

IV型は、抗体がTリンパ球を活性化させて炎症性の物質を放出し、アレルギー症状を起こす反応です。アレルゲンの侵入から症状がピークになるまで、約48時間かかることから「遅延型アレルギー反応」とも呼ばれています。主な症状に、アトピー性皮膚炎、感染アレルギーなどがあります。