アレルギーとは?発症の仕組みを解説

●アレルギーとは?

私たちの体に不快な症状をもたらすアレルギー。アレルギーとは、一般的には無害とされている物質が体内に侵入したときに、免疫が過剰反応を起こしてさまざまな反応が出る症状です。

免疫はウイルスなど、体内に侵入した有害な異物をやっつけたり排除したりする反応です。免疫反応は、外部の有害物質から私たちを守ってくれる門番の役割をしています。しかし免疫はときどき、敵でない物資を誤認して、攻撃を与えることがあります。特に害がない物質に攻撃するため、自分の体にもダメージを与えてしまうのです。それが原因で起こるさまざまな症状を、アレルギー反応と呼んでいます。

免疫は、ウイルスや細菌などの外敵が体内に入ってきたときに、それに対抗するために作られる「抗体」というタンパク質の働きによって起こります。抗体はウイルスや細菌をやっつけてくれる、頼もしい存在です。

●獲得免疫とは?

なぜ免疫は、本来は敵ではない物質に対して誤って反応し、アレルギー反応を起こすのでしょうか。

免疫は外敵から体をガードする働きをします。。そして免疫には、生来備わっている自然免疫と、生まれた後に何らかの刺激を受けて発生する「獲得免疫」があります。

そして、アレルギー反応のほとんどが「獲得免疫」によるもので、「抗体」の一種である「IgE(アイジーイー)抗体 」が関係していると考えられています。

花粉やダニ、食べ物など、アレルギー反応を引き起こす物質のことを、「アレルゲン(抗原)」といいます。私たちの身の回りには、アレルゲンとなり得る数多くの物質が取り巻いているのです。

これらの物質のどれが抗原となるのかは、人によって異なりますが、初めての接触ではまだ抗体が作られていません。このためアレルギー反応も起こりません。しかしこのときに異物を、誤って外敵(アレルゲン)と認知すると、それに対抗するために「IgE抗体」が作り出されます。

●IgE抗体の働き

IgE抗体は目や鼻などの粘膜、皮膚の細胞に広がり、アレルゲンの侵入を見張っています。そして、再びアレルゲンが体内に入ってきたときに攻撃するのです。攻撃時にアレルギー症状を引き起こすヒスタミンなどの物質が生み出され、これらの物質が眼のかゆみや涙目、鼻水やくしゃみ、皮膚のかゆみや発疹などの症状を引き起こします。

そして激しいアレルギー反応が起こると血圧が急速に低下したり、意識不明を引き起こしたりして、生命の危機に陥ることもあります。このような重篤なアレルギー反応を、アナフィラキシーショックと呼んでいます。

よく一度蜂に刺された人が、二度目に刺されると危険だといいます。これは一度目に刺されたときは、IgE抗体がまだ作り出されていないからです。蜂に刺された後にIgE抗体が作り出され、次にやってくる外敵に備えます。そして二度目に刺されると、たちまちIgE抗体が反応してアレルギー症状が起こることが多く、なかにはアナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。