つらい花粉症…どうにかならない?

うららかな気候の春の訪れは、本来喜ばしいもののはずです。ところが、春が来るのが憂鬱だという人が年々増えています。くしゃみ、鼻水、鼻づまりや目のかゆみなど、不快な症状が出る花粉症になるからです。日本人の2人に1人が花粉症だとも言われています。完治の難しい花粉症ですが、私たちの取り組み次第で症状を和らげることは可能です。

花粉症の原因と症状は?

スギ、ヒノキ、カモガヤなどの植物の花粉に対して、アレルギー反応を発症する疾患です。花粉が体内に入ると、異物と判断され、免疫機能によって攻撃します。その結果、敵と見なした花粉を体外に排出するために、くしゃみ、鼻水などが出るのです。アレルゲンである花粉が体内に入る限り、症状は収まりません。アレルゲンとなる花粉の種類は、日本に存在しているものだけで約60種類あると言われます。反応する花粉の種類によって、秋や夏に花粉症になる人もいます。

花粉症は、主に鼻や目に症状が出ます。くしゃみ、鼻水、鼻づまりは花粉症の代表的な症状です。目の充血や涙なども起こります。また、アレルギー反応のため、痒みも出ます。鼻のムズムズ、目のかゆみ、また皮膚やのど、耳の奥に強いかゆみを感じる人もいます。ひどくなると、咳、頭痛、微熱などの症状も出ます。苦しくて寝苦しいため、不眠や食欲減退、気分の落ち込みを経験することもあります。

症状を緩和するために自宅でできること

洗濯物や布団は室内に干すか、乾燥機を使いましょう。衣類や布団に花粉を付けないことが大切です。空気清浄機を使用して、できるだけ室内に花粉が侵入しないよう、侵入してもすぐに除去しましょう。掃除もマメに行ってください。

花粉症は免疫機能の働きが過剰になることで発症しますから、免疫機能を整えるとアレルギー反応も抑えられます。免疫細胞の約60%以上は腸に存在しています。腸内環境を整える乳酸菌は免疫細胞の働きも正常化しますから、ヨーグルトや乳酸菌飲料、チーズやキムチ、納豆などの発酵食品を積極的に摂取してください。

食物繊維をとることも大切です。特に便秘がちな人は、メカブやワカメなどの海藻類やこんにゃく、大豆などに含まれる水溶性食物繊維を摂取しましょう。腸内環境が整うと、免疫細胞も正常になり、アレルギー症状が抑えられます。暴飲暴食を避けて、花粉症の症状が出る時期は飲酒もできるだけ控えましょう。

外出時の注意

マスクを正しく着けることで、鼻や口から侵入する花粉を80%ほど防げると言われています。ですが、マスクを正しく着けないと、効果が半減します。マスクと顔の間にすき間ができないよう、あごまで隠れるようにしっかり着けましょう。

花粉が付着しにくい素材の洋服を選ぶのも大切なポイントです。静電気が起こりやすい、ウール素材やフリース素材などを避けましょう。表面がツルツルした素材のアウターやバッグは、花粉が付きにくいのでおすすめです。静電気スプレーを摩擦が起きやすい部分にしておくのも効果があります。