赤ちゃんの肌が赤くカサカサになったり、湿疹が出てゴワゴワしてきたりしたら、アトピー性皮膚炎の可能性があります。赤ちゃんは自分で薬を塗ったり、食事に気をつけたりすることはできませんから、かゆくて眠れずぐずるとか、爪でひっかいて傷をつけてしまうこともあるでしょう。赤ちゃんのアトピーの原因は何でしょうか?
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎の「アトピー」とは、古代ギリシャ語で「奇妙な」を意味する「atopia」という単語に由来します。赤ちゃんの頃にかかることが多いアレルギー疾患です。かゆみ、皮膚の赤み、湿疹などの症状が出ます。症状が出やすいのは顔や脇の下、ひざやひじなどです。いったん症状が出ると、湿疹が治ってもまた繰り返します。
原因はまだ完全には解明されていませんが、皮膚のバリア機能が低下している時に、ダニ、ホコリ、あるいは食物や動物の毛、フケなどのアレルゲンが体内に侵入して起こると考えられています。赤ちゃんの場合は、生まれつき肌のバリア機能が低いと考えられます。
また、ストレスや遺伝もアトピーを誘発する可能性があります。家族がアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、あるいはぜんそくなどのアレルギー疾患にかかっていると、子供はアトピー性皮膚炎になりやすくなる傾向があります。原因は1つだけではなく、いくつもの要因が重なった時に発症します。
乳児湿疹や汗疹(あせも)とどう違う?
アトピー性皮膚炎の特徴は、寛解と再発を繰り返すことです。いったん良くなってきてもまた症状が出る場合や、2ヶ月以上症状が続くなら、アトピー性皮膚炎の可能性があります。ですが、赤ちゃんのアトピーは生後6ヵ月くらいで収まるケースが多いので、あまり神経質にならず、スキンケアや入浴、食事などに気を配ってあげましょう。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎を予防するには
スキンケアと入浴は大切です。肌に刺激を与えないよう、無添加のボディソープや石鹸を使用しましょう。タオルなどを使わず、手で優しく洗ってください。汚れはこすって落とすものではなく、泡と馴染ませるだけで十分に落ちます。すすぎは丁寧にしっかりと行い、入浴後はすぐに保湿しましょう。保湿剤もできるだけ防腐剤や香料が入っていないものを使ってください。
汗をかいたら着替えさせましょう。化繊を避けて、綿100%などの肌に優しい素材の服を着せるのがベストです。洗濯用柔軟剤の使用は控えるとよいでしょう。室内環境も大切です。ダニやカビを除去するため、忙しくてもできるだけ毎日掃除機をかけ、部屋を換気しましょう。赤ちゃんが寝る布団や枕も清潔にすることです。
ストレスはさまざまなアレルギーを誘発します。親は赤ちゃんがかゆがり、皮膚がガサガサになるのを見て悲しくなり、自分を責めます。ですが、そうしたお母さん、お父さんのマイナスの感情を赤ちゃんは敏感に感じ取ります。あまり悲観せず、赤ちゃんにとってストレスにならないような環境を作りましょう。赤ちゃん自身の治癒力がアップすれば、成長に伴ってアトピーは良くなる可能性があります。